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GBW番外編 「チャンイ組の憂鬱」





よく観ると
なかなかイケメンもいる
チャンイ組。(笑)

きっと
あのボスに憧れ
あのボスに心酔して

チャンイ組に入った部下もいれば

もちろん
報酬次第の
雇われってのもいたりして…

でも、やっぱり名高いボスのもとで
ひと旗あげたい
チンピラたちだっていたと思うし。


ヤクザ映画や
ギャング映画なんか見てると
そんな感じなんですよね。


さて、チャンイ組…

悪名高いとはいえ

弱いやつには、めっぽう強い(笑)
癇癪起こすくせに
早撃ち&ナイフの達人って…

危険すぎる…(爆)

そんなチャンイの下で働くって

すご~~~くたいへんだったと思う。
ウンウン。

なのに
「何人、呼べる?」
なんて、簡単にいっちゃうし…


などと、いろいろ考えているうちに

私、じゅえる…

またいつもの
イケナイ癖で…

3の線、描いてしまいました。(笑)


って…

迷宮再開一発目の創作が
3の線ってどうよ~?(爆)






・・・ ◆ ・・・


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GBW番外編 「チャンイ組の憂鬱」





「ゆ、許してくれっ!ボス…ぜ、絶対にしゃべらねぇぇっ」


チャンイに睨みつけられ、男は、怯えながら壁にへばりついていた。


「フッ…やっぱり見たんだな…」
「…邪魔な目だ…」


チャンイが、男の目に、じりじりとナイフの鋭い刃先を近づける。

男は、恐怖で目を見開いた。

チャンイは、その様子にニヤッとすると、シュッと真横に切り裂いた。


「ぎゃあぁぁ――ッ!」


男は、血が吹き出す両目を手で覆い、その場にがくりと膝を折った。

声にならない声で許しを請う。


「ボ…ス…ゆるし…」


チャンイは、ナイフをひらりと持ちかえると、男を抑えつけ、今度は、首をかき切った。


「見苦しいな…」


絶命した男を見下ろしながら、チャンイが笑った。

血がべっとりとついたナイフを男の服で拭くと、今度は、ナイフの刃をかざしながら、手袋の指で血曇りを丁寧に拭き取って、ホルダーにしまう。







「はぁ…」


サンカルは、ため息をついた。

極悪非道のかぎりを尽くすことで、その名をとどろかすパク・チャンイ率いる馬賊。

その部下たちの管理、調達、つまり人事一切を任せられているサンカルは、悩んでいた。


「いっそ、大々的に募集するか…」
「だんだん、うちで働くのヤダって言いだす連中もいるし…」
「最近、手下が減ってるのは、元はと言えば、ボスが原因なんだよな…」
「ああっ…でも、ボスのせいだなんて…」
「口が裂けても、いえやしない…」


サンカルは、チャンイの冷たい眼を思い出して、ブルッとした。

イスに座ったまま、眉間にしわを寄せて、ブツブツ呟いている彼に、部下の一人が声をかけにきた。


「アニキ…なに難しい顔してるんっすか?あっちで飲みましょうや…」


「ああ…わかった」


(ボスったら…だいたい…なんでもかんでも…オレにやらすんだから…)


「あああっ!もうっ!」


イライラしながらも、サンカルは、再び、チャンイの顔を思い浮かべていた。


(でも、ボスには逆らえない…)


サンカルは、あきらめたように、頭を振ると立ち上がった。




すると、片目の男ヒョンテが、見慣れない顔の男二人を連れてきた。


「アニキ…新入りです」


「お、ちょうどよかった…」


急に明るい顔になったサンカルは、新入り二人の顔を見た。

上目づかいで、少しびくびくしたところは、とてもまっとうな道を歩いてきたようには、見えない奴らだった。


(ボスが気に入るかな…)


二人の風体を見た途端、サンカルは、少し不安に思ったが、せっかくの志願者を断る理由はない。


「お前たち、得意なことは?」


「へ?オイラたちは、逃げ足が早いことでさぁ」


(ああ…やっぱり使えねぇ…)


サンカルは、ため息をついたが、気を取り直すように言った。


「ま、なんでもいいや、この際…」


「え?」


「ボスのことは知ってるな?」


「へい!そりゃあ~もう!」
「パク・チャンイってきけば、どんなやつらだって震えあがるってもんで…」


「くれぐれもボスの機嫌を損ねるなよ」


「へ?」


「わかったな」


「へい。あの…オイラたちも、こちらに加えていただけるんで?」


「ああ…いないよりマシ…いや…声がかかるまで、あっちで飲んでろ」


二人は、顔を見合わせると、うまくいったとばかりに、悪名高い馬賊チャンイの配下に入れたことを小踊りして喜んだ。

二人は、この片目の男、ヒョンテに話しかけた。


「あの…アニキ?」


「ヒョンテでいいよ」


「じゃ、ヒョンテ、さっき、サンカルのアニキがいってたことって…」


「そのうち、わかるさ。ま、生きてりゃの話だが」


「ところで、その片目、やっぱり、戦いで敵にやられたんで?」


「いや…ま、お前たちも、くれぐれも気をつけることだな…」







チャンイが、ブーツの鎖の音を響かせて、機嫌よく階下に降りてきた。

酔っ払って大騒ぎしていた部下たちは、さーっと一気に酔いが冷め、たちあがって、チャンイを迎える。

チャンイは、部下たちを一瞥すると、サンカルの肩をポンと叩き、意味ありげに、ニッと笑った。


「ボス…?」


サンカルは、チャンイの顔を見ると、急いで二階に駆け上がった。

チャンイの部屋へ行こうとしたが、廊下にいたヒョンテに呼び止められた。


「こっちだよ。ボスが自分のベッドルームを汚すわけないだろ?」


「ああ…また…」


サンカルは、隣の部屋に血まみれで横たわる男を見つけた。

チャンイの部屋の警護にあたらせていた男だった。


「今度は、なんで?」


「知らねぇよ」
「だが…たぶん…見ちゃならねぇモノを見たんだろうよ…」


ヒョンテが、死体の眼の傷を、顎でしゃくって教えるようにしながら、暗い表情で言った。

サンカルは、死体を片付けさせるために、さっきの新入りを呼んだ。






「おい、ヒョンテ…知ってるんだろう?」


サンカルが、泣きそうな顔できく。


「さあな…」


するといきなり、ヒョンテがサンカルの腕を掴み、奥にひっぱり込んで、聞き取れないほどの小さな声で話した。


「ボスが、寝グセがひどいって、知ってるか?」


「え!」


サンカルは、驚いて、ヒョンテを見た。


「たぶん…アイツは、ボスが直してるトコを見ちまったんだな…」


「そ、それだけで…」


「いや、それだけじゃねぇ…」


「え?」


「お前さん、ボスが裸で寝るって知ってるよな?」


「ああ…知ってるけど。それが?」


「ボスが、裸で、鏡に向かって…こう体をひねって…ポーズを…」


淡々と語るヒョンテの話に、サンカルは、ショックを隠せない。


「そ、そんなことを?ボスが?」


「ああ…」


「う…うっとりして?」


「それはどうかわからんが…」


(絶対…そうだ…)

(しっかし…このおっさん、なんで全部知ってんだ?)

(いや…それにしても…まさか…ボスが、あんな格好や…こんな格好で…)


サンカルの頭の中は、裸で鏡の前でポーズをとっているチャンイで、渦巻いていた。


「ああ…ボス…そんな…」


自分の想像に、顔を少し赤らめて、恍惚とした表情をしているサンカルを、ヒョンテがじっと見つめている。


「おい…サンカル…大丈夫か?」


サンカルは、はっとして、急に我に返った。


「…なにも…殺さなくったって…」

(ただでさえ、手下、減ってるのに…)

「でも…それがあの人なんだよな…」


出会ったときから、サンカルは、チャンイの徹底したナルシストぶりに、強い憧れを抱いていた。

そして、何より、どんなことがあっても、チャンイについていくと心に決めたサンカルだった。


「ボス…」


小さな声で呟くと、サンカルは、また、ため息をついた。

ヒョンテが、やさしくサンカルの肩に手を置く。


ボス…

でも…

手下…減ってます…


チャンイ組の憂鬱は続く。



・.*. .:。Fine ・.*. :。


チャンイにぴったりと寄り添い
陰になり日向になり
チャンイを守るサンカル。

彼は
きっとチャンイに
惚れてるんだろうなぁ~~~

そんな気持ちをこめて
描いてみました。

チャンイラブゆえの3の線。
お許しください。

楽しんでいただけたら
嬉しいです。


この片目の男
迷宮チャンイにも登場した男でした。(笑)


迷宮チャンイ、もう少し待ってね。

by leejewel | 2009-09-26 17:52 | 創作文「チャンイ」
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